お見舞いと差し入れと

入院してから初の日曜日。病院が休診なこともあって、いつもとは違う、微妙にまったりした空気が流れている。とはいえ、入院病棟は24時間365日営業。看護士さんはいつもどおりで、先生の回診もある。患者の病気がお休みになるわけでもない。


そんななか、大学時代からの友人のRくんがお見舞いに来てくれた。
入院することを電話で聞いてからこっち、ずっと心配していた、的な話を聞いてちょっとぐっときてしまう。そうか、自分にも思ってくれる人はいるんだな……。そして、アニメだったりゲームだったりサッカーだったり競馬だったりのとりとめのない会話。差し入れもありがたかったし、遠方に住んでるにもかかわらず、来週も来るよ、と言ってくれたのもうれしかった。


入院してみてわかったことに、お見舞いのありがたさがある。
基本、入院患者は孤独だ。看護士さんや医者と必要な話はするし、同室の人とあいさつ程度は交わすが、気兼ねのない「普通の」会話を交わすのは難しい。そのうえ、携帯電話は使用不可、ネットも使用できず、コミュニケーションは相当制限されてしまう。そこに、自分のために時間と交通費をかけて、友人や家族が来てくれるのだ。うれしくないはずがない。ここ一週間、ずいぶんといろんな人が来てくれた。

差し入れも本当にありがたい。これいいよ、というオススメもあれば、こういうの好きだよね、と趣味を考えて選んでくれるのもあり。日常生活で、そんなプレゼントをもらう機会なんてほとんどない。ライトノベル、マンガ、文庫、ゲーム、雑誌、いろいろいただいて、入院生活は当分退屈しなくてすみそうだ。こちらにも随時感想を上げていこう。


しかし我ながらずいぶん不思議なものだな、とも思う。というのも、入院以前の自分は、さほどコミュニケーションに熱心な方ではなかった。世間話や井戸端会議には積極的に参加せず、打ち合わせも苦手なほう。ロクに会話もせず、黙々と仕事だけして帰ることも珍しくなかった。「できるけどしない」のと、「できない」の間には差があるのか、環境が変われば人も変わるのか。どうなんだろう。