転院編その2:自宅経由・羽田発千歳行

転院日が決まってからは、お見舞いのラッシュだった。東京から札幌は遠い。これを機会に、旧友、元同僚、取引先、いろんな人が訪れてくれて本当にありがたかった。


転院当日はあわただしかった。
一ヵ月程度とはいえ、差し入れを含め荷物はそれなりの量になっていた。急ぎでない荷物は宅急便で送ることにして、残りをスーツケースに詰める。その後、家族といっしょに先生と看護士さんにあいさつ。本当にこの病院にはよくしてもらった。はじめての入院で不安もあったが、対応も親切で治療や説明も適切だったように思う。

午後、タクシーで自宅に向かった。何を置いて何を持っていくか。使わないコンセントは抜き、Bフレッツやスカパーは解約する。もう引越のようなものだ。ひさびさの自宅。しばらくこの部屋に戻ることもないのだろうと思うと感慨深い。


東京から札幌への航空券には、家族がクラスJを用意してくれていた。多少回復したとは言え、白血球は1500程度。まだまだ虚弱体質なのは変わりない。人混みには注意するように言われていたので、少しでもいい席にしてくれたのはありがたかった。
18時ちょうど、羽田発千歳行の飛行機が飛び立つ。入院して一ヵ月、いろいろと変わったことがあったが、これは特に大きな変化だろうな、とぼんやりと思う。千歳空港の空気はひんやりと涼しかった。