のはなし

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今回のお見舞いで、全然違う人から同じ本をダブって差し入れでもらったことがあった。一冊が『聖☆おにいさん』、もう一冊がこの『のはなし』。書き手は今やクイズ番組の雑学王としてもおなじみ伊集院光だ。
中身は、「免許証」「好きな理由」「節税」といったなんらかのお題をもとに書かれた、ショートコラム集。ファンでもない僕が楽しめるのかと思ったら、これが抜群に面白かった。
ネタのチョイス、話の持ってき方、読みやすい語り口、絶妙のギャグ、圧倒されたところは多数あるが、中でも一番うなったのがオチの付け方。きれいに落とすのもあれば、余韻を残すものもあり、さらりと流すものもあり。さすが元落語家にしてしゃべりのプロなだけある。
「なにか面白いことあった?」と聞かれて、「そういえば最近さぁ」と話せる人に僕はあこがれがあるのだが、この本にはそんな「面白いこと」が山ほどつまっている。
過去のいやな思い出や自分の失敗談を客観視してお笑いにできる、懐の広さにも脱帽だった。日々駄文を連ねてる身としては、この100分の1でも面白いこと書けるようになりたいもんです。
ちなみに、もう一冊の『聖☆おにいさん』に関しては一身上の都合により、論評を差し控えさせていただきます。