終戦記念日の1942

はじめて1942をプレイしたのは、高校時代、デパートの片隅のさびれたゲームコーナーだった。
太平洋戦争を舞台にしたカプコン製の縦シューティングゲーム。敵は飛行機のみで地上物なし、危険回避はボムではなく宙返り、ボスはたまに出る亜弥虎のみ、という、淡々とした地味なゲームだ。
けれど、僕はこのゲームのシンプルさが大好きだった。50円を入れて1プレイするのが、帰宅部の放課後の日課だ。といってもウデは大したことはない。地上らしきところまで行けると今日は調子よかったな、と思えるぐらい。ボスもエンディングも遠い先の話だった。


なので、兄から借りたPSP用のカプコンラシックスで、迷うことなくまずはじめたのは1942だ。PSP版には中断セーブ機能が付いていて、前回終わったステージの最初からはじめられる。一日15分程度ずつちまちまと進めて、表示される「LAST 32 STAGE」の数が減っていくのは楽しかった。
主人公たるアメリカ軍の侵攻はMIDWAYからはじまる。それがLAYTE、IOUJIMA、OKINAWAと本土に近付いていく。ヌルゲーマーゆえ、難易度は最低に設定していたがそれでも徐々に攻撃は激しくなっていく。死ぬと戻されるタイプのゲームゆえ、連コインで強引に突破はできない。大ボスと中ボスのコンビネーションや、ザコ敵の後方ゼロ距離射撃、キリモミ&低速飛行機の連携など、さすがに最後の方は何度も詰まった。


コンティニューをくり返すこと幾数十回、ようやくエンディングに辿り着いた。昔のゲームらしく、文字だけの素朴なエンディングとスペシャルボーナスをかみしめて、やりとげた感がただよう。ああ、そういえば今日は8月15日だったか……。