うちの妻ってどうでしょう?に見る足元グラグラ感

connolly2008-09-01

入院生活に何を持っていくか、という問いは、無人島に何を持っていくか、という問いに似ている。
今回3度目の無人島に持ち込んだマンガは以下の3冊だ。

孤独のグルメ 【新装版】
「待望のロング&ベストセラーが10年ぶりの新作を加えて復活! 男が一人で食事するシチュエーションをハードボイルドに描く異色のグルメマンガ」とは出版社の紹介文。初版のころから愛読している一冊だが、今は2chやふたばのネタとしての方が有名かも。
僕の小規模な生活(1) (KCデラックス モーニング)
モーニングに連載中の福満しげゆきの自伝的エッセイマンガ。小心者で自虐的な主人公に大いに共感する点アリ。とはいえ、これ以前の「僕の小規模な失敗」なんかと比べると、主人公は結婚して大いに安定したな、とうらやましくも感じるところ。
うちの妻ってどうでしょう? 1 (1) (アクションコミックス)
↑のスピンアウト作というか別バージョンというか。一応4コマフォーマットで妻ネタが多め、というぐらいしか違いがない。「(内容は)かぶってないんですよ 全然……」という作者の弁には、「いや、かぶってるって」と皆がツッコミを入れたことだろう。


うちの妻ってどうでしょう?」の終盤には、主人公が思っている「足元グラグラ感」についての描写がある。主人公=作者によれば、自分には「4年くらい外国を放浪していた」「元自衛隊員で厳しく鍛えられていた」「ちゃんと3〜4年のサラリーマン経験がある」といったバックボーンがない、何か詳しく精通しているものがない、このマンガはそーいったものが何もない足元グラグラマンガだ、といった内容だ。
あとがきにはさらに補足がある。今からいい感じの過去のバックボーンを差し込むのは不可能だ、今からできるのは何か趣味的なものじゃないか、かといって30歳を過ぎるとだんだん趣味もやらなくなっていく、今やっているのは美少女フィギュアを集めていることぐらいだ……。


みんな、似たようなことを考えているもんだなあ。と思った。
自分もフツーにマンガやゲームやアニメが好きだが、これがバックボーンになっているかと言われるといささか疑わしい。過去に何か特筆すべき経験があったわけでもない。30歳を過ぎて趣味をやらなくなってくるのも同上。周りの友人に「最近なんかゲームやってる?」と聞いても、返ってくるのは「いや、全然しなくなったね」なんて答えばかりだ。そもそもオタ一般は、なにをバックボーンにすればいいんだろう。


しかしまあ作者の場合、結婚できて、それをマンガにできてる時点で充分グラグラじゃないだろ、とも思うのだけれど。ある程度印税が入り、生活が安定するであろう今後は、どういう展開になるんだろうか。