スカイ・クロラ感想

  • 一時退院中に鑑賞。
  • 「空虚な日常を送っているすべての人に、生きる意味を問いかけます」とは、RD 潜脳調査室の番宣コーナーでの沖佳苗嬢の弁。
  • 映画全体にただようどんよりとした雰囲気。なにかの記事で「今回はエンタメに徹した」みたいな監督の発言を見た気がするが、だとすると、ずいぶんと景気の悪いエンタメもあったものだ。
  • JTがバックアップしてるのか? と思うほどタバコを吸う姿がいちいちカッコいい。
  • 空戦シーンはエアーコンバットみたい、とゲーム脳的な感想を。
    • 雲を突き抜け空に舞う、浮遊感、飛翔感は心地よかった。
    • こだわったというレシプロ機のリアルな挙動云々はよくわかりませんでした。
  • 監督の犬好きはもはやフェチの域やてホンマ。
  • 割合に淡々と進む展開。声優の演技も抑えめ。キャラデザもリアル寄り。
  • 映画を見終わったあとに残るモヤモヤとしたものをどう処理できるか。
  • 面白い、っていうんじゃないよな。好きか嫌いか、というか。
    • といわれると、やっぱり好きだ。

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

  • 文庫版になっている原作本も続けて読了。
  • カンナミの一人称になっているので、受ける印象は幾分に異なる。
  • とはいえ、ストーリーの大筋はそのままで、忠実な映画化だった感。ディティールとエンディングは異なるが。
  • 散文的に描かれるカンナミの世界観や死生観には共感する点も多く。いくつか気に入った箇所を。

仕事も女も、友人も生活も、飛行機もエンジンも、生きている間にする行為は何もかもすべて、退屈凌ぎなのだ。

「いつまで生きるつもり?」
「考えてない」
「どうして、考えない?」
「考えてもしかたがない。どうせ、いつか、誰かに撃たれて死ぬんだし。それは僕には想像できない」

「この世に絶対的な評価なんてないさ」
「じゃあ、基準は?」
「まあ、俺の人生経験の平均的なところ」

「想像だけど、たぶん、とても忘れっぽくなって、夢を見ているような、ぼんやりした感情が、精神を守っているはず。昨日のことも、先月のことも、昨年のことも、全部区別がない。同じように思える。夢で見たことで、過去にあった現実を改竄する。違うかしら?」
「僕のことだったら、だいたいその通りだよ」