骨髄移植の3ヶ月延長

10日間の一時退院も明けて、今日が再入院の日だ。
入院も4度目ともなると、さすがに準備も慣れてくる。不安もさしてない。考えてみれば、今年一番長く過ごしているのは入院病棟の中だ。むしろ、あの白いベッドを懐かしく思う気持ちがなくもないことに気づく。
朝に昼に晩に、時間通りバリエーション豊かな食事が出る。身体の調子が悪ければボタンひとつで看護師さんやお医者さんが対応してくれる。ヒマな時間は使い放題だ。なるほど、病人にとって入院とは安心できるシステムなのだな、と今さらながらに思う。


スーツケースとボストンバッグ、紙袋ふたつと無印良品の「体にフィットするソファ・ミニ」を車に詰め込んで、家人に病院まで送ってもらう。部屋に案内してもらい、手荷物の整理をすませ、PS3PSPThinkpadを結線し、入院患者の正装たるパジャマに着替える。入院中は起きてるときも寝てるときも一張羅だ。着る服を考えなくてもいい、というのも自分にとってはメリットかもしれない。


看護師さんの体温測定や採血、血圧検査のあと、担当の先生からさっそく話があった。
曰く、11月に予定していた骨髄移植は、ドナーさんの都合で来年2月あたりに伸びそうなこと。
曰く、そのドナーさんとはHLA、リンパ球、DNAや血液型が一致しており相性がかなりいいので、ぜひその人で行きたいとのこと。
曰く、それまでは化学療法をおそらく2回やって、寛解状態を維持していきたいとのこと。
曰く、今の骨髄は異形成症候群や繊維化の影響が進んでいるが、よくがんばっているとのこと。


つまり、3ヶ月伸びたのか……。
そろそろだな、と覚悟していたのが延長したわけで。刑期が3ヶ月伸びたような、夏休みが3ヶ月延びたような、不思議な感じだ。
自分の人生を振り返ってみると、大学時代は、まあ、モラトリアムだった。今の入院生活も体調がそれなりの時は、モラトリアム、とも言える。そのあとにどうなるかは、神のみぞ知る、だ。自分のポリシー的には、なるようになる、か。
ともあれ、退院は移植後100日がメドになる。休職期間が一年を超えるのは確実なようだった。