1泊4日東京行・スカイパックツアーズ

上越新幹線

11月23日・千歳14時着のスカイマーク713便はターミナルビルからずいぶんと離れたところに停止した。
「お客様には、これからバスへの乗り換えにて到着口までご案内します」
今回の旅で3度目となったおなじみの機内アナウンス。新規参入組のスカイマークは、空港ビルのボーディングブリッジに直結できる政治力が少ないのだろう。千歳−羽田間は、AIRDOやJALANAで何度も往復しているが、さすがにこれだけバス接続ばかりなのは珍しい。
けれど、タラップを降りてバスに乗り換えるのは、そんなに悪いことばかりでもなかった。バス目線から空港を見る機会なんてそうそうない。運転席の隣に陣取り、いろんな整備車両や飛行機を楽しんでいると、道のりはあっという間だ。
到着口で荷物をピックアップ、快速エアポートを乗り継いで実家に戻る。今日の天気予報では、札幌と東京の気温の差は10度。乗換の札幌駅ではさすがに寒さが染みた。

10日間の一時退院

今回の一時退院は11月18日から27日までの10日間。前回と同様のタマゴ付きだ。首からぶら下がるカプセルの重みは、いやでも自分が病人であるということを再認識させてくれる。

東京に行くかどうかは正直迷った。一ヵ月前に行ったばかりというのもあるし、入院生活で懐が不如意というのもある。ただ、次の一時退院は年末年始になりそうだし、そのころは飛行機代が高騰している。間を取って、「安いツアーが取れたら行く」ということにしてみた。
とはいえ、退院日が確定するのはだいたいその数日前。そこから予約できるツアーは限られている。数社に問い合わせては断られ、なんとか取れたのが、スカイマーク傘下のスカイパックツアーズだった。
往復の航空券と西葛西のホテル一泊が付いて31,000円。普通に航空券を買うより安くなるのがこの手のツアーの謎なところで、自分も札幌への帰省などにはよく利用している。ホテルが西葛西の東横インなのは、単純に他が取れなかったからだ。残りの2泊は普通に自宅に泊まる。

東京でのスケジュールは、今回はゆるめに設定した。
初日の20日は、病院の外来でタマゴ交換のあと、午後・千歳発14時45分の716便で羽田には16時半着。ホテルには18時前にチェックインができた。東西線で一駅の南砂に新しくできたSUNAMOを訪れ、そこから歩いて荒川を渡って西葛西の焼鳥屋で軽く一杯。地元の友人から事前にオススメの店と聞いていたとおり、ネギマ、皮、砂肝、どの串も大ぶりでうまかった。

飲み会と対戦会と

二日目は、東横イン名物のおにぎりと味噌汁の朝食を食べたあと、賃貸アパートの自宅に戻り、夕方から会社の新人歓迎会にどういうわけか参加。
「元気そうだね」
「ええ、現代医療のおかげで何とか生き延びてますよ」
「イヤな言い方するなあ(笑)」
こんなあいさつを交わしたり、新人に何かひとこと、と振られて、
白血病患者という名の引きこもりニートを続けています自分ですが……」
とスベったあいさつのあとに、健康保険のありがたさを語ったり。生牡蠣のフルコースをいただいたり、飲み放題メニューを一通り制覇したりと、ひさびさの飲み会を堪能した。

二次会は、自分の希望で対戦会にしてもらった。お題はPSPのモンハンとDSのカルドセプトだ。
モンハンは最近はじめたばかりで、右も左もまったくわからない。すでに相当やり込んでいる同僚と4人で組んで出かけたクエストでも、言われるままにあっち行ってこっち行って剣を振って、としてみたものの、ロクにダメージも与えられず何度も死にまくり。クエストは成功したものの、「別に自分いらないんじゃね?」というのが初協力プレイの感想。先は長い。まずは訓練所のクエストを全部こなしてからか。

カルドセプトDSの3人対戦は熱かった。マップはロカ。戦略性とランダム性がうまく絡み合ったゲームデザインは本当に秀逸で、侵略あり防御あり読み合いあり。終始トップは入れ替わり、運良くなんとか1位でフィニッシュすることができた。
自分はDSではじめてカルドセプトをプレイしたのだが、本当に対人戦が楽しいゲームだ。タイマンもいいが、不確定要素が増える3人対戦はさらに面白い。カードを集めたりデッキを構築したり、こちらもまだまだ先は長く楽しめそうだ。

「ツアーズ」に思う東京への「旅」

三日目の11月22日は土曜日。埼玉と板橋の友人宅を訪れてみた。
JR宇都宮線秩父鉄道上越新幹線埼京線都営三田線、と新旧・高低入り乱れた乗り継ぎ経路。中でも、はじめて乗った羽生からの秩父鉄道は単線電化、古い国電型車両と、地方の私鉄らしくいい感じだった。保線がちゃんとしてないのか、台車がボロいのか、かなりガタゴトと揺れるのもまた味がある。その後に乗った熊谷→大宮の新幹線とのギャップはなかなかのものだった。 私鉄成分も新幹線成分も北海道にはないので、この辺は内地ならでは。ちょっとした鉄道旅行だった。

板橋の友人Nくんには自宅のスペアキーを渡して、時々東京の家の様子を見に来てもらっている。また、家のブツを送ってもらったり、宅急便を転送してもらったりとお世話になりっぱなしだ。三田線駅近くの中華料理で夕食をともにしながら、身辺報告やよもやま話など。といっても自分の方はずっと入院しっぱなしで良くも悪くも変化はないのだけれど。

今回利用したスカイパックツアーズ。ツアーズ、という名前のとおり、転院してから半年ですっかりホームとアウェイが入れ替わった感がある。東京に戻る、というより、東京に行く、という感覚。治療のスケジュールは最低まだ半年はかかる。この状況はまだしばらく続きそうだ。