フルメニューな食事の開始

ようやく下痢も治まりつつあり、腹具合も落ち着いてきたここ最近。通常の食事に戻してみませんか、という提案があったので一も二もなくそうしてもらった。


高カロリー輸液の点滴を受けて栄養を補給、メシは何も食べない、というのはなかなか不思議な状態で、「腹は減らないの?」というのはよく聞かれる。そんなときに返すのは「肉体的には減らないけど、精神的には減るかな……」という答えだ。たしかに栄養を取るという点では肉体的に満たされているのだけれど、精神的にはやはりなにか食べたい、という思いは残る。テレビのグルメコーナーなどは目に毒だ。
メシを食べてもいないのに、大の方が毎日出るのもちょっと意味がわからない。どこから来てるんだろう、これは。


ともあれ、まずはお粥かゼリーあたりからはじまるのかな、と思っていたら、出てきた朝食はご飯に味噌汁、焼き魚に漬け物、味付け海苔のフルコース。2週間以上何も食べてなかった身としては、さすがに驚いた。大丈夫かよ、とおずおず箸を付けたところ、意外とイケるもので、ごはんを若干残した他は無事完食できた。
ちなみに、骨髄移植した人によく起こる味覚障害だが、自分の場合は特に症状が出ていないようだ。お菓子は甘いし、味噌汁はしょっぱい。100%移植前と味覚は同じか、と問われると微妙なところだが、ごはんがおいしくいただけるのはありがたいかぎりだ。