執行猶予

白血病の退院患者は、よく「執行猶予5年」なんて表現を使う。これは「白血病の治療終了(寛解導入)後、5年以降の再発はほとんどない」というデータに基づくものだ。
つまり、「退院後5年再発しなかったら、もう大丈夫、治ったよ」というわけだ。


逆に言うと、それまで白血病には常に再発の危険性が潜んでいる。自分が退院できたのは白血病細胞が見かけ上ゼロになったからなのだが、身体には観察できない範囲の微少残存白血病が残っているかもしれない。
これがまた増加してくると「再発」となる。しくみとしてはガンの再発と同じようなものだ。白血病も「血液のガン」なのは言うまでもないが。


そして、この再発率というのが白血病ではけっこう高い。白血病の型、症状、年齢、治療法などさまざまな要素があって一概にはいえないが、いろいろな人の話やブログなどを見るかぎり、再発率は半数近くありそうな感じだ。
骨髄移植前に言われた、「成功する確率は半々です」というのもそれも含めてのことなのだろう。特に自分の場合は、骨髄繊維化、骨髄異形成症候群と、予後不良の因子が少なくない。


再発、となると仮釈放がとけてまた再収監だ。しかも『移植後再発』というのは幾分に面倒なパターンで、治療法は限られてくるし、治療成績も初発と比べると一段落ちる。
一患者としては執行猶予を無事過ごせるよう努力するだけだ。まあ、努力が結果につながらないことなんて山ほどあるんだけれども。