【day-1】前処置の日程終了

10月29日からはじまった臍帯血移植前の前処置の日程は、今日の全身放射線照射(TBI)をもって終了した。
造血幹細胞移植に先だって行われる「前処置」とは、移植前にあらかじめ大量の抗がん剤を投与、また放射線を全身に照射することで、患者の骨髄をカラの状態にしておく、ドナーの細胞を生着させるための欠かせない過程だ。
前処置をどの程度の内容、強さで行うかは、年齢や体調、移植の種類によっても異なる。


今回、ぼくの場合は1年に2回目の移植とあって強い放射線を使えないこと(1年に浴びられる放射線の量は決まっている)、再発なので新たな抗がん剤の組み合わせで行くということで、

  • フルダラ6日間、ブスルフェクス3日間
  • 放射線照射1日間(2Gy)

のスケジュールが組まれた。先生の話によれば、
「ミニ移植というよりももう少し強い、フルに近い移植になる」
ということだった。


移植患者にとって、この前処置というのは大きなヤマだ。今までにはありえないダメージが短期間に集中するので、今まで平気だった人もさすがに参る。
初回を思い出すと、ぼくもひどいものだった。頻回の下痢、嘔吐、抗がん剤の副作用と思われる痙攣、不眠ほかで、食事も取れなくなった。


では今回は、というと例によって良くも悪くも副作用は少なかった。事前にかなり脅されていたことを思うと、ちょっと拍子抜けしたくらいだ。なんでも、
「この薬はちょっと前まで経口のものしかなかったんだけど、点滴で落とせるようになってずいぶん楽になったんですよ」
とのことらしい。
放射線も前回の12Gyを思えば6分の1の量の2Gy。身体がほんのり熱くなる程度で、放射線治療室まで歩いて往復できた。


そして、ついに明日が移植となる。
緊張だったり、不安だったり、希望だったり、楽観だったり、いろんな気持ちがまぜこぜになっている。ただまあ、ここまでくると、なんとかなるだろ、という楽観が占めている。そう思うしかない、という部分もあるのだけど。