K先輩のお見舞いと迫り来るなにか

今日は、大学時代のK先輩がお見舞いに来てくれた。読書家の先輩に、なにかオススメの書籍を貸してほしいと頼んでおいたところ、ミステリー、エッセイ等、揃えてくれたのはどれも好みに合いそうなものばかり。少しずつ読んでいくことにしよう。 K先輩は現在、…

脱毛についてのあれこれ

午前6時、カーテンからこぼれる朝陽に目を覚ます。さあ今日もバリッと行くか、とふとベッドを眺めると、枕に大量の毛髪が……。 ついに来た。これが、抗がん剤の副作用で有名な脱毛症状か。抗がん剤投与終了からしばらくたち、「もしかして自分の場合髪の毛は…

トイレにまつわる貯水量のはなし

今日のネタはシモネタゆえお食事中の方はご注意を。 というか割とどうでもいい話です。 ここの病院では、トイレで小の用を足すときは、いったんカップに尿をため、それをとある計測機器に入れる決まりになっている。その機器に個人のボタンを押して尿を入れ…

お花畑を枯らす強力な除草剤

「悪性白血球がほぼゼロになりました。感染症や発熱に気をつけてください」 朝の回診で先生から話があった。 抗がん剤投与からやや経過し、血液の中から悪性&良性白血球、赤血球、血小板がかなり少なくなる骨髄抑制の状態に入ったようだ。あわせて今日は、…

ふたつのタンコブ

また、やっちまった……。 ズキズキするおでこを濡れタオルで押さえながら病室に戻る。 白血球に加えて、出血時に血を止めるはたらきのある血小板も減少しているこの時期、ケガは御法度だと先生からも言われていた。なのに、まただ。 前回は、ベッドから立ち上…

発熱につぐ発熱

抗がん剤の投与が終了して3日目。今日の白血球数は順調に下がって300。 のせいもあるらしく、ここしばらく発熱症状が続いている。 だいたいパターンは決まっていて、 朝は平熱〜微熱(36〜37℃) 夕方に寒気とともに発熱が(38℃超) 解熱剤を飲んで寝る、発汗…

1ミリは五厘・院内床屋にて

自分が今行っているような化学治療を受けている患者は、抗がん剤の副作用で髪が抜けてしまうため、そして点滴治療のため髪が洗えなくなってしまうため、丸刈りにしてしまうことがオススメらしい。 検査等もひとまず落ち着いた今日、先生の許可をもらって病院…

お見舞いと差し入れと

入院してから初の日曜日。病院が休診なこともあって、いつもとは違う、微妙にまったりした空気が流れている。とはいえ、入院病棟は24時間365日営業。看護士さんはいつもどおりで、先生の回診もある。患者の病気がお休みになるわけでもない。 そんななか、大…

ホスピタルからこんにちは

ホスピタルからこんにちは、どうもconnollyです。(モロパクリ)というわけで、オタ+白血病+はてな、と言えばid:wild-man氏の「wild-man’s diary@アキバ系オタクである元(?)白血病患者の日記」という有名な日記があります。 前向きな闘病生活と分かりやす…

広辞苑によれば

あらためて、白血病とはどんな病気なのだろうか。ATOK付属の広辞苑から引いてみた。 はっけつ‐びょう【白血病】 ハク‥ビヤウ 白血球の腫瘍性増生を来す疾患。急性・慢性、また骨髄性・単球性・リンパ性などの別がある。貧血・肝腫大・脾腫を伴い、発熱、出血…

CTスキャンとMRIと耳鼻科と皮膚科

昨日書いたように、この化学療法はかなり身体に負担をかける。そのため、治療に耐えられるかどうか、あらかじめ検査しておく必要がある。また、身体の中で悪いところはあらかじめ治療しておき、白血球が低い状態の時に問題が出ないようにしておくのも重要ら…

抗がん剤・投与開始

入院から3日目、いよいよ化学療法による治療がはじまった。 白血病の原因である、悪い白血球を減らす抗がん剤を数日にわたって投与していく。ただ、この薬はあまりに強力すぎて、他の良い白血球や赤血球、血小板も減らしてしまう。しかし、しばらくすると悪…

点滴を眺めながら

人間は流れる水を見ると落ち着くという。 たしかにベッドに横になって、ぽたりぽたり、と針から垂れる水滴を眺めているのはなかなかに飽きない。その水滴はラインを通って、自分の首元から静脈に流れ込んでいる。 これが「点滴」。自分の意志とは無関係に、…

新住所は病棟6階

入院手続きが済んで、案内されたベッドは6階の窓際だった。 カーテンで隣と仕切られたスペースには、ベッドと棚がセッティングされている。広さは2.5畳と言ったところか。ベッドは幅80cmほど、電動で上下に動き、頭部と脚部がそれぞれリクライニング可能な病…

オタ部屋とのしばしの別れ

土曜日の診察の結果、月曜から入院、即治療をはじめることとあいなった。いったん帰宅、入院のための準備をはじめる。 とはいうものの、今までの人生で入院なんて経験がない。病院からもらったパンフレットや、ネットの断片的な情報を見ながら、必要と思える…

輸血の効果

輸血の効果は抜群だった。ちょっと歩いたらすぐ息切れしてしまう道をすいすい歩いていける。とはいえ、症状が根本的に改善されるわけではない。全体的な倦怠感や口内炎の痛みは変わらない。養生することにします。

「他人に迷惑をかけない」「なるようになる」「とりあえず今が幸せ」

「今日は2単位、2時間程度ですよ」と看護士さんの言葉に、輸血というのは意外に時間がかかるものだな、と思った。昔、200ccを献血したときにかかった時間は十数分だった。なるほど、出すのより入れる方が時間がかかるということか。ふたたび訪れた大病院の処…

白血病の要因

少々調べてみたかぎり、なぜ白血病になるか、は原因が確定されていないらしい。ケガをして骨折する、酒の飲み過ぎで肝臓を悪くする、というような因果関係がないのだ。老若男女、誰がいつかかるのか。それは誰にもわからない。 なんで? どうして自分が? い…

健康と不健康

今まで自分の身体は、ちょー健康、というわけでもなかったが、メチャメチャ不健康、というわけでもなかった、と思う。タバコは吸わない、ご飯は少なめ、一駅や二駅間歩いてみる、お酒は週一程度、できるだけ早寝早起き、野菜と魚を食べるようにする、長風呂…

ポルナレフがありのまま起こった事を話すガイドライン

「急性白血病の疑い」

診察室に入ると、恰幅のよい先生が机に書類を広げている。よろしくお願いします、と一礼して自分も丸椅子に腰掛ける。 第一声は「入院は東京と北海道、どっちにする?」という妙なものだった。入院?北海道?どういうことだ? 先生は話を続ける。 「こっちで…

大病院の廊下の長椅子で

判決を受ける被告、あるいは合格発表の前の受験生の気分だろうか。廊下の長椅子にくたびれた身体を預けながら、自分は診察室からの呼び出しを待っていた。紹介状を手に大病院の血液内科を訪れた5月8日。 ふと周りを見れば、この手の診察には家族の付き添いが…

大学病院への紹介状

夕方、病院の診察室へ入ると、担当医師が院長先生へと変わっていた。風邪ではない、なんらかの病気になっている可能性があること、ただそれはここでは診断しきれないこと、紹介状を書くので大学病院の方で診てもらってほしい、といった話だった。紹介状の宛…

発端 ― 断続的な発熱と疲れやすさ ―

風邪にしてはずいぶんと熱が下がらなかった。 38度まで体温が上がり、さすがにこれはキツいと会社の隣の病院を訪れたのが4月23日。「風邪ですね」という診断を受け、山盛りの抗生物質と解熱剤をもらって帰宅、GWは静養に努めていた。ウイダーを流し込み、オ…